酔いどれ介護者の減塩食日記

減塩食レシピ作りで料理の修行中。介護の日常と非日常・・・タフでなければ介護はできない、優しくなければ介護をする資格がない。

荒唐無稽な鈴木清順映画のように、おでんを食する

3泊4日なんてあっという間。残念ながらショートステイは終わりました。父は帰宅すると決まって「我が家がいちばんいい」みたいなことを言います。僕は人間ができていませんから、こちらの気も知らずにいい気なことをと正直むっとします。介護の仕事に楽しいことなんてこれっぽっちもありません。少なくとも僕の場合は。だからまた、来月のショートステイの日を指折り数えながら、淡々と毎日の努めをこなしていくだけです。

ショートステイ最後の夜はおでんにしました。でも、父が不在で塩分を気にしなくていいおでんです。荒唐無稽な食べ方をしてみました。紀文の調理済み商品ですが、食卓に静岡風おでんと名古屋風おでんを一緒に並べたのです。それを母と分け合って食べました。

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生まれも育ちも東京なので、いつものおでんは鰹だしに濃口醤油の関東風です。おでん種も関東風ならではのちくわぶやすじが大好きです。静岡も名古屋も今回が初体験でした。関西風は食べたことがありますが、それにしても全国各地でこんなに違うものなのかと驚きました。

静岡おでんには、これがはんぺんなのかという黒はんぺんが入っていて、青海苔やだし粉をかけて食べる。静岡はなかなかいけました。名古屋おでんは八丁味噌をベースにした濃厚な味噌煮込みで、静岡同様に豚もつが入っている。味噌煮込みは好きなのですが、おでんにはどうかなあというのが名古屋への個人的な感想です。

ちなみに塩分は、どちらも1人前ぐらいの分量で、静岡は7グラム、名古屋は5.5グラム。やはり父には出せません。おでんは練り製品全員集合みたいな料理ですから、なかなか難しいのですが、それでも父のために何回か減塩おでんを作ったことがあります。

腎臓病用の減塩レシピを参考にしましたが、かなり具材は足しました。というのも、元のレシピはがんもどき、ちくわぶ、大根、こんにゃく、うずらの卵しか使っていないのです。これではあまりにも淋しい。塩分は1.1グラムと低く抑えているのだから、つみれやちくわなどを追加しました。煮物は冷める間に味が染み込むということを小耳にはさんで試してみたのですが、それでも見事な薄味でした。まだまだ作り方に工夫をしなければいけません。

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(この写真のには大根が入っていないので、僕が食べたものだと思われます。というのも、つい先日までおでんの大根が苦手でした。その話はまたいつか。)

さて、荒唐無稽なおでんを食べた日に悲しい知らせが届きました。「関東無宿」「東京流れ者」「けんかえれじい」「殺しの烙印」「ツィゴイネルワイゼン」・・・製作会社からは「意味が分からない」と酷評されながらも、澄ました顔をして荒唐無稽と戯れているかのような異色の映画を作る人でした。朝日新聞天声人語は「江戸っ子らしい洒脱さ」と評していました。そんな鈴木清順監督の訃報です。93歳での別れとはいえ、また少し淋しくなります。

かつて食通のタモリさんは、関東おでんのちくわぶの意味が分からないと言っていました。ただ小麦粉をこねただけのものの、どこが面白いのかというわけです。果たして清順監督は、ちくわぶのある関東おでんを好んだのでしょうか。

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