酔いどれ介護者の減塩食日記

減塩食レシピ作りで料理の修行中。介護の日常と非日常・・・タフでなければ介護はできない、優しくなければ介護をする資格がない。

ビール4本と屋台セットの神宮観戦記 ~夢よ、スワローズよ、人生よ!~

10月3日、ヤクルト対巨人戦を見に行った。球場で野球を見るのは、おのれの運命のつたなさを呪ったあの一戦以来だ。今年のスワローズはぶっちぎりの最下位。40年来(1の位は切り捨て)のスワローズファンとして、歴史的な大敗を喫したシーズンの試合を一つでも、この目でしかと見届けておこう。これが現実なら、今シーズンにふさわしい負けゲームがいい。そんな痛切な思いから神宮球場に足を運んだ。

千駄ヶ谷駅の改札を出ると、球場のスタッフが看板を持って立っていた。「入場券は完売です」。前日の朝、ネットで前売り券を買っておいてよかった。最終戦とはいえ、こんなにも大勢のファンが詰めかけてくれる。なんと物好きな・・・じゃなくて、ありがたい話ではないか。

 週刊ポスト8月12日号は買って読んだ。もちろん、巻末グラビアの真木よう子の豊満ビキニが目当てではない。「本物のヤクルトファンに学ぶ『負けても怒らない』精神」と題された記事があったからだ。著名人のファンの興味深い声をいくつか引いておく。

選手一人ひとりから「哀愁」が漂っているところがヤクルトのいちばんの魅力です。(ジェームス三木

人生、負けることがあるのは当然と思って応援している。(城戸真亜子

ヤクルトの初優勝時にファンになったが、それ以降は「たまに巨人に勝ってくれればいい」と。球場のファンも、応援団の指示で揃いのビニール傘を振っているように見えて、実は個人の意思で気ままに応援している。80年代に監督を務めた関根潤三さんは『1勝2敗の勝者論』という本を出している。その中で関根さんは「人生、1勝2敗で御の字だと語った。(ニッポン放送アナウンサー煙山光紀

「ヤクルトのファンは過激な批判はしない。苦しい時期を温かく見守る大人のファンが多い」というのが記事の主旨だった。半分当たっているが、半分外れている。判官びいきから肩を持つようになると、いつしか本気になる。負け組の人生を歩んでしまえばなおさらだ。それもまた人生の機微だ。かつてのスワローズの応援には俗っぽい熱さもあった。岡田正泰という名物応援団長を懐かしく思い出す。

岡田さんといえば、8回裏に出てきて、「オウオウオウ!お前ら!腹に力いれて景気良くやれってんだ!」。岡田オヤジ独特の江戸っ子弁でヤクルトファンに気合いを入れ、応援をもりあげて、楽しませてくれた。ヤクルトファンにとっては神様みたいな人でした。ファンが少ないから多くいるように見せるため、誰でももっている傘をもって、誰でも一度は聞いたことはある、東京音頭にあわせて得点時の傘応援を考案した。

出典:岡田正泰さんを偲んで

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ヤクルトの先発投手はギルメットだった。来季の期待を抱かせるような日本人の若手投手ではないことにため息が漏れる。案の定、坂本や宇佐美にホームランを打たれて、あっさりと3点のリードを許す。

それでも、チームを14年ぶりの優勝に導いた真中監督のラストゲームだ。相手投手の乱調もあったが、打線は奮い立った。観客席の声援の大きさも後押ししただろう。一年間の不調を脱することができなかった山田哲人もどん詰まりながらタイムリーを打った。巨人は初めてクライマックスシリーズ進出を逃して戦意を喪失している。だから、生まれて初めて贔屓チームの負けを見たいと臨んだ試合でも、内心ではいくらなんでも今日は勝つだろうと、この時までは思っていた。

9回表、マウンドには今季の戦犯の一人である秋吉が立った。かつてヤクルトにも在籍していた相川の内野安打からピンチを広げる。坂本との勝負を避けた無難な敬遠策が裏目に出る。山本泰寛という新人にまさかの満塁弾を浴びた。

まさしく今季の戦いぶりを象徴する、絵に描いたような負け試合だった。そんな試合を見ることができた。俺は運がいいのか、悪いのか。ビールは家では350か500mlを1本。居酒屋でも大ジョッキ1本しか飲まない。神宮球場に出店している「バインミーマジェスティック」とかいう店の屋台セットの手羽先とホルモンで、ビールを4本飲んだ。酔っ払った。3万を超えた「大人」のファンたちは、いつものことといった感じで整然と帰路についていた。

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ヤクルトの監督には再び小川淳司が就く。球界の盟主の巨人におんぶに抱っこで、そのおこぼれに預かれればいい。昔からそんな球団経営をしているようなチームだった。相変わらずフロントから、本気で勝とうという気概は感じられない。でも、山田は試合後に泣いたという。プロ経験者が1人しかいなかったという球団創設1年目の記録を更新したシーズン96敗だ。「やっぱ悔しい」よな。悔しくないわけがない。そんな選手たちの屈辱を信じよう。山田よ、秋吉よ、来年こんなんだったら、ただじゃおかねえぞ!ビールもっと飲むぞ!暴れるぞ、この野郎!!

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