酔いどれ介護者の減塩食日記

料理、家庭菜園(近日開始)、クロスバイク、介護・・・与太話を交えて。

ふかひれ・牛たん弁当から遠く離れて~高齢化社会もまた近くて遠い

突然、東北の「ふかひれ・牛たん弁当」が届いた。ころっと忘れていた。先日、ネットスーパーの駅弁フェアを見て、衝動的にクリックした。こういうのを口にできる機会がほとんどない。個人的にたまには食べたいなと、1個だけ予約注文したのだった。

夕食には、ちょっとお洒落な鱈(たら)のムニエルを作るつもりでいたが、急遽、予定変更。鱈の消費期限は切れるが、1個1600円の弁当を無駄にはできない。お袋と分け合うことにする。ただ、それだとおかずが少ない。冷蔵庫を開ける。半分残っていた長芋をすり、油揚げを焼く。これまた残り物の冷凍のシューマイを電子レンジで温める。

案の定、牛たんが硬いと言う。レンジでチンした。俺が口にした限りでは十分に柔らかくなったのだが、筋が噛み切れないのだろう。満足に1切れも食べられなかった。

もう何年も年寄りの世話をしている。それでも分からない。これまでは平気で食べていた切干し大根を受けつけない。巨大なピーラーを使って限りなく細くしたキャベツの千切りも駄目。なぜなのか。頭で理解しようと思えばできる。でも、実感が伴わない。人の身になるというのは難しい。介護者はそのせいでしばしばミスをする。高齢化社会は近くて、遠い。

牛たんが食べられなくても、とろろ芋とシューマイから栄養が摂れればいいだろう。だが、急に体の不調を訴えた。「胸と背中をきゅ~っと締め付けられる」感じに襲われた。血圧を測ると、190前後あった。ニトロを口に含ませて、しばらくして150ぐらいに下がった。

冬の間、お袋はエアコンとオイルヒーターで暖かくした一人の茶の間でテレビを見ている。膝に毛布をかけ、ダウンの上着も羽織っている。食事の際には隣のダイニングキッチンに移ってもらう。茶の間とダイニングは続いている。戸は開けっ放し。俺が台所の火の前に立つときはたいてい薄手のものに着替える。このときもそうだ。それでも、母は牛たんと格闘しながら寒いと言った。多分、そのせいなのだろう。原因はもちろんのこと、年寄りの感じ方も分からないから、こっちは多分としか言えない。

親父の生前、お袋の状態は落ち着いていた。でも、救急車の世話になった回数はお袋のほうが断然多い。深夜、人気のない大病院の待合室で、何も知らされず何時間も待たされることほど嫌なことはない。発作が起きるのはたいてい冬。そういうときの寒さは俺の骨身にもしみた。

油揚げの山かけ

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油揚げは醤油とみりんを薄く塗って焼く。油揚げ半分の一人前だが、お袋はこれは全部食べた。これよりうまい牛たんは食べられなかった。