酔いどれ介護者の減塩食日記

月末に駆け込みで記事を更新する、夏休みの小学生みたいなブログです。

豪華!卵を2個使っただし巻き卵~ヒデキと爺ちゃんに捧ぐ

子供の頃、学校で生活指導(だったか)の先生から逃げ回っていた。捕まれば、髪のもみあげを引っ張られる。その痛いことといったらなかった。だったら、短く刈ってこいという体罰だった。やなこったい。だって、長いほうがかっこいいじゃないか。

あそこまで長髪ではなかったが、そろそろ「ギャランドゥ」も生えてこようかという、色気づいた少年にとって、西城秀樹野口五郎はあこがれの存在だった(郷ひろみは、デビュー時から苦手で今に続く)。

この年になると、親しい名前が次々に消えていく。ヒデキの訃報に接して、いちばん最初に悲しいと思った死は誰のだったろうかと、ふと考える。爺ちゃんか。おいおい泣いたもんな。母方の祖父。親父の方は、俺が生まれたときにはもういなかった。

ハゲてたけど(まあ、それはどうでもいいが)、見るからに優しそうな人だった。その性格が災いして、なけなしの田畑をだまし取られた。終戦直後だから珍しくはないだろうが、一家は貧困のどん底に落ちた。

爺ちゃんが買ってきた1個の卵を、家族5人で分け合って食べる。かかあ天下の婆ちゃんの差配で、子供から順番に溶き卵を自分のご飯に注いでいく。最後の爺ちゃんのときにはほとんど残っていなかった。昔から、お袋によく聞かされた話だ。

爺ちゃんはヒデキが「傷だらけのローラ」を歌っている頃に死んだ。婆ちゃんは最後は半分ボケたが、結構長生きした。その婆ちゃんの年を越えたお袋が、今また卵の話をするようになった。毎日のように。半ば楽しそうに。生きていれば、笑い話にもできる。

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だし巻き卵を作った。3ヶ月以上前に買ったアイリスオーヤマのフライパンセットに入っていた卵焼き器をやっと試した。自分一人の昼食のおかずなのに、爺ちゃん、ごめん、卵は2個も使ってしまった。

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だし巻き卵

味付けは、水25ミリリットルに顆粒だし1グラムと薄口醤油小さじ1とみりん小さじ半を溶かして。本当はフライパンと菜箸を手際よく動かして作ってみたかったのだけれど、この「エッグパン」は思いのほか重さと深さがあって、そんなプロの料理人みたいな芸当はできなかった。フライ返しでひっくり返すのがせいぜいだった。

形はともあれ、味はまずまず。少なくともスーパーで売っている、やたら甘いパック詰めのだし巻きや厚焼き玉子よりは美味しかった。

これまで、コレステロール値が高い卵は1日1個が妥当と言われた。でも、近年の研究によると、コレステロールの件は間違い。それどころか、脳と筋肉を老けさせない栄養素が豊富に含まれる食材なので、1日3個ぐらい食べてもいいそうだ。

このことを知ってからは、お袋も卵をすすんで食べるようにしている。朝からせっせとゆで卵を作る。ただ、コンロの火を付けたまま、それを忘れてしまうのが難点なのだが。

そういう訳で、爺ちゃん。爺ちゃんは卵を食べられなくて早死にしちゃったのかもしれないけど、お袋には卵をふんだんに使っただし巻き卵を食べさせて、まだ長生きさせるつもりだから。でも、人間のゆくかたなんて分からない。新御三家でいちばん健康そうで力強かったヒデキが最初に逝っちゃうんだから。結局は、カレーもいいけど卵もね、ぐらいの了見でやっていくしかないんだよね。

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