酔いどれ介護者の減塩食日記

月末に駆け込みで記事を更新する、夏休みの小学生みたいなブログです。

鶏肉と高野豆腐のトマト煮かつお節がけ@だし生活、始めます

減塩のためにも、料理の際にはだしをひくのを習慣にするつもりだった。でも、忙しさや面倒にかまけて、インスタントのだしの素で済ますことが多かった。

もちろん、かつお節や昆布からだしをとったこともある。ところが、だしの味や効果をあまり感じることができなかった。甘い、しょっぱいならよく分かる。でも、だしの美味しさであるうまみは分かりにくい。実際、歴史的にも、味の一つとしてうまみが発見されたのはわずか100年前だという(発見したのは日本人)。

料理家やメーカーによって、だしのとり方も違う。それも面食らうことの一つだった。例えば、おなじみのにんべんは、水1リットルに対してかつお節30グラムが美味しいかつおだしを取るための比率だと推奨する。これを疑問に思ったのが著者の梅津有希子。いくらなんでもかつお節が多すぎるのではないか。そこで知遇を得たプロの料理人に問い質すと、こんな答えが返ってきた。「それは、にんべんがたくさんかつお節を売りたいからでしょう」

こんな話が載っていて、面白かった。「しっかりしただしがあれば、味付けは少しの醤油と塩だけでいい。煮物や麺類なら醤油とみりん。うま味がきいていれば、シンプルな調味料だけで料理は十分においしくなる」なんて言われれば、やはりだしをひいてみようかなと思うものだ。

これまでに何度も作っているが、いつも何かが足りない、でもそれが何なのかが分からないと満足できなかった「鶏肉のトマト煮」。「かつお節はうまみたっぷりの魚のふりかけ。何にかけてもおいしくなるだけ」なら、この本にも紹介されていたし、試してみるにこしたことはない。

f:id:ken_low:20180629220419j:plain

鶏肉と高野豆腐のトマト煮かつお節がけ

にんべんのかつお節パック1袋4グラムを入れてみた。「うまい~!」と感嘆の声を上げるまでにはいかないにせよ、確かに合う。こくが出た。これは驚きだった。トマトソースのパスタにも1袋加えてみた。

f:id:ken_low:20180629220457j:plain

トマトソースのパスタかつお節入り

水で薄めたトマトペーストに、牛乳と粉チーズとみりんと、かつお節。塩こしょうの存在をころっと忘れたのだが、塩気のなさを物足りないとは思わなかった。パスタはいつものように塩なしでゆでた。具材はウインナーと玉ねぎ。ウインナーは味が濃いなと感じたが、パスタ料理としては塩こしょうしていれば、申し分なかったかもしれない。

これまで、たくさんのだしのプロに「だしのとり方」を取材してきたけれど、誰ひとりとして同じとり方の人はいない。数学のように、正しい解答があるわけではなく、自分のやり方で何の問題もないということがわかり、「そうか、だしは自由でいいんだ」と、胸にすとんと落ちたのだ。

出典:冬の鍋はこれで攻略!「だし」を簡単に味方につける方法(梅津 有希子) | 現代ビジネス | 講談社

毎日のように台所に立つようになってまだ数年だが、料理全般がそうなのではないか。火加減、食材の性質、栄養素・・・物質を扱うのだから料理のベースにあるのは科学だろうが、食べるという行為はすぐれて個人的な体験なのだから、よほど変態的な味覚の持ち主でない限り自由に作っていい。

鶏肉のトマト煮にどっさりとかつお節を入れる。俺の舌には合った。それをお袋に食べさせる。美味しいと言えばそれで十分。豚肉の生姜焼きにりんごを使う。味はさっぱりとしたものになり、肉は柔らかくなる。でも、りんごの風味がする生姜焼きは好きになれなかった。だから、もう作らない。豚肉の生姜焼きは生姜と醤油だけでいい。

生来、頭に固いところがある。柔軟性に欠ける。だしを取って効果を感じられなかったのも、単に教科書通りにやったせいだと思う。だったら、量を増やせばいい。そういうごく当たり前の自由が足らなかった。

市販のものにせよ、これまでできるだけ天然に近いものという条件で、いろいろなだしや味噌を試してきた。おかげで、素材による違いも少し分かってきた。本に書いてあったが、昔はかつお節を削るのは子供の仕事だった。わが家にもかつお節の削り器があった。恐らく仕事ではなく、遊び道具として使った記憶がある。できたてのかつお節で作った味噌汁の味は覚えていないが、きっと美味しかったのだろう。

さすがに、削り器は買わない。いや、買ってみようか。ともあれ、だし生活、始めます。

 

だし生活、はじめました。
by カエレバ
広告を非表示にする