酔いどれ介護者の減塩食日記

料理、家庭菜園(近日開始)、クロスバイク、介護・・・与太話を交えて。

「男のチャーハン道」を読みながら、邪道のチャーハンに舌鼓を打つ

チャーハンはパラパラに限る。そんな物言いが強迫観念のようにまかり通っている。個人的にはそこまでパラパラでなくてもチャーハンは十分においしいと思っている。その理由の一端が分かった。「男のチャーハン道」。今どき、このタイトル。出版は去年だが、時勢に挑戦的な響きにも惹かれた。

人がおいしいと感じる言葉は何か。ある会社が調査した。1位、もちもち、2位、ジューシー、3位、サクサク、以下、とろける、もっちり、ふわとろ、もちっと、とろーり、ホクホク・・・。パラパラなんてどこにもない。

本によれば、チャーハンはパラパラのほうがいいという認識は昔からあった。だが、日本の米には粘り気がある。技巧を凝らさない限り、もちもちしたチャーハンにしかならない。でも、それが普通のチャーハンだった。誰もがそういうものだと受け入れていた。記憶には薄いのだが、俺が子供の頃においしいと思って食べていたチャーハンもきっとそんなものだっただろう。

ところが、80年代あたりから、チャーハンはパラパラじゃなければ駄目だという説が燎原の火のごとく広まる。筆者がトラウマのような記憶として挙げるのも当時の料理漫画の衝撃だった。そこでは、チャーハン作りは強力な炎との戦いとして描かれる。鬼のような火力を御すための鍋使い。勇ましくご飯を宙に舞わせることで、初めてチャーハンはパラパラになる。おいしくなる。この場面は覚えていた。「美味しんぼ」は俺が読んでいた最後の漫画でもあった。

ここから、筆者の求道者のようなパラパラチャーハン作りの旅が始まる。材料はご飯、卵、ねぎ、塩、油のみ。おいしいチャーハンの条件は4つ。パラパラである。あつあつである。香りがいい。油っぽくない。これで至高のチャーハンを一般家庭の台所で作るにはどうすればいいのか。不可欠とされる業務用コンロの強い火力はもとより望めない。

ならば、火の強さは何度あれば足りるのか。どんな状態のご飯を使えばいいのか。卵はいつ入れればいいのか。塩や油にもこだわるべきか。「こんなこと、男しかやらないよ」というような試行錯誤の過程がつぶさに描かれる。読み応えも十分だ。まさしく、この志は壮。俺も同伴者として戦線に加わろうと思った。

ところが、筆者の結論では、家庭の台所でもチャーハンには強火が欠かせない。なので、調理道具は鉄製の広東鍋じゃなきゃ駄目だという。テフロン加工のフライパンだと中火でしか使えない。鉄の鍋なら具材を加えても温度が下がりにくい。この点も重要なのだという。

うちには大きいフライパンが3つもある。そのうちの1つはコーティングも剥がれかけているが、それでも煮炊きにも使える蓋付きの多用途の鍋なので捨てるのはもったいない。新たに鉄製の中華鍋を買う余裕はない。というわけで、戦線離脱。テフロン加工のフライパンと中火でチャーハンを作り続けることにした。男は諦めも肝心だ。

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イタリアンドレッシングの「激うまチャーハン」

「激うまチャーハン」と謳っているのは俺じゃない。もともとのレシピだ。でも、笑ってしまった。これがなかなかイケるのだ。ホントに中華屋さんのチャーハンの味に近い。こちらもシンプルに具材は卵のみ。向こうに敬意を表して、焼き豚もかまぼこも入れずに正々堂々と戦った(色どりでパセリだけふった)。

片や苦節3年の研究の末に生み出される「男のチャーハン」。片やイタリアンドレッシングでちゃちゃっと作った「邪道のチャーハン」*1。前者の味は知らない。だって、鉄製の広東鍋なんか持ってないから、作れないんだもん。後者はドレッシングの油の力なのだろう。結構パラパラにもなる。人によってはこっちの方がおいしいと言うかもしれない。こうした不条理が平然とまかり通る。それもまた人の世の常だ。その点は頭に入れておいたほうがいいだろう。

材料(1人分)

卵 1個
ご飯 1人分(200グラム弱かな)
塩 少々
油 適量
イタリアンドレッシング 大さじ3

(キューピー「テイスティドレッシング・イタリアン」使用)

作り方

1、ボウルに卵を割り入れ、ご飯と塩を加えて混ぜる。
2、テフロン加工のフライパンに油をひいて、1を入れて炒める。
3、鍋肌からイタリアンドレッシングを入れ、酸味を飛ばすように混ぜながら炒める。
4、パラパラになったら火を止め、お皿に盛り付ける。

■出典:

プロん家に秘密あり!〜料理・掃除・洗濯が劇的にラクになる!秋に役立つ魔法の家事ワザ大連発SP〜|TBSテレビ

 

・・・手頃なのあるかな。現在、鉄製の中華鍋かフライパンを物色中。研究の成果としてのレシピは、各自、本に当たって確かめられよ。

男のチャーハン道 (日経プレミアシリーズ) [ 土屋 敦 ]
by カエレバ

*1:レシピの考案者さん、「邪道」だなんて言っちゃってごめんなさい。